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社団法人日本経営協会 専任講師 倉持 和子

◆ 第5回 ◆ 予定外の出来事もプラスに変えられる
 現代のように環境の変化の激しい時代は、予想外の出来事や不本意な出来事が数多く起こり、綿密に立てた計画の変更を余儀なくされることも少なくありません。そのような危機に直面したとき、あなたはますます意欲が湧きますか、あるいはツキに見放されたと悲観しますか。

1.人生は計画通りにはいかない
 キャリアデザインをして、計画通りにキャリア形成していくことは大変やりがいが感じられる働き方だと思います。けれど、まさかと思うような偶然の出来事のために計画通りにいかなくなった体験は誰にでもあるでしょう。広辞苑によりますと、「偶然」とは「何の因果関係もなく、予期せぬ出来事がおこるさま」です。良いか、悪いかの判断は含みません。しかし、一般に「予期せぬ出来事」が起こりますと、それが自分の意に沿わない場合は特に、マイナスのイメージを持ちがちです。
 しかし、スタンフォード大学のジョン・D・クルンボルツらは、数百人にのぼるビジネスパーソンのキャリアを分析した結果、偶然の出来事が人のキャリアに大きな影響を及ぼすとの結論を導き出し、「計画された偶然論理(Planned Happenstance Theory)」(Krumboltz,et.1999)で「予定外の出来事は望ましいものである」と主張しています。 

2.「偶然の出来事」を活かすスキル
 各界で活躍する多くの人に対するインタビュー記事や自伝を読むと、波乱万丈の人生を歩んだ人も多く、私たちを取り巻く社会環境は常に変化していることを実感します。そのような人の多くは、何らかのきっかけで以前から興味を持っていたことを学び始めたり、人との出会いから新しい分野の仕事についたり、念願の仕事についたりしたと語っています。クルンボルツらはキャリアの80%がそのような偶然の出来事によって形成されており、キャリアの好機となるとき、その出来事を「計画された偶然の出来事Planned Happenstance」と呼んでいます。
 同時に、クルンボルツらは日ごろから積極的、肯定的な行動をしている人には「計画された偶然の出来事」が起こる可能性が高いとして、そのために以下の5つのスキルの必要性を提唱しています。
  
(1)好奇心・・・ 好奇心は人を、学び、探求するように方向づけます。好奇心を大切にしなさい。何が自分の好奇心をかきたてるのか、どんなことが自分を興奮させるのかを知りなさい。
(2)持続性・・・ 失敗したとしても、続けなさい。
(3)柔軟性・・・ ものごとを固定的に捉えず、姿勢を変えたり、状況を変えたりしなさい。
(4)楽観性・・・ 新しいチャンスは必ずやってきて、それを活かすことが出来ると考えなさい。
(5)冒険心・・・ 結果がどうなるか見通せない場合でも、行動を起こしなさい。
 
 クルンボルツは、「計画された偶然の出来事」はすでにあなたのキャリア歴にあるはずだから、自分のキャリアを振り返り、偶然の出来事が自分のキャリアにどのように影響したか、その出来事を自分のキャリアにとって望ましいものにするために何をしたか、を考えるよう提言しています。つまり、そのときの行動を突き止め、習慣化できるなら、さらに多くの偶然の出来事をキャリア形成に活かすことが出来るでしょう。
 次回(最終回)は「キャリアを支える2本」と題してお話しします。



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