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「CS行政」の研修を提唱して、もう10年以上になります。バブルが崩壊し、企業は「CS経営」に取り組み始めていた時代です。私は、CS経営に取り組み、成果を挙げている企業を取材し、本にまとめ、雑誌にも連載し、全国を講演して歩いていました。山形県赤湯温泉の総会で講演をしたときのことです。講演が終わって、懇親会のときに「うちでもCS調査をやっているが、うまくいかない」というので、翌日お邪魔したのが「御殿守」(ごてんもり)という旅館でした。
ここは、上杉藩の別荘として鷹山も何度か逗留した名門の旅館でした。バブルが崩壊し、地方の名門の旅館はどこも苦戦を余儀なくされていましたが、ここも例外ではありませんでした。そこで、約半年間毎月うかがいました。その中で、女将や社長から鷹山のことも教えてもらいました。そこで、分かったことは鷹山の改革こそがCS行政だということです。そのなかみについては、連載のなかで書きますが、そう直感しました。
CS経営は、アメリカで1980年代に誕生したのですが、その源流・発想の原点は江戸時代の近江商人の哲学にあることを発見した私は、お客様や住民を大切にするという哲学・考え方は、行政も企業も、現代も江戸時代も、またアメリカも日本も関係ない、時間や空間を超えた原理・原則ではないか?という仮説をたてました。
そんなことを考えていた時、CS経営のCはcustomer(顧客)だが、住民はCitizenだから「CS行政」だと閃きました。それがきっかけで、「CS行政」の研修を数え切れないほど行いました。日本では、経営の流儀にも流行があります。だから、CS経営の本を今出版してもベストセラーになりません。では、今CSを抜きに企業経営ができるかと言えば、できません。ちなみに、「御殿守」は赤湯温泉だけでなく山形を代表する旅館として繁盛しています。
それは行政においても同じです。住民の満足を考えずに政策を考えることができるのか?事業を展開することができるのか?協働できるのか?そのようなことで、私は「CS」というキーワードは企業にとっても行政にとっても基本であり、永遠のテーマだと考えています。CS行政の研修で、どんなことをやってきたのか、その背景は何だったのか振り返りながら書きたいと思います。 |
| 社団法人日本経営協会 専任講師 / 経営コンサルタント 茂木 正雄 |
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