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社団法人日本経営協会(会長:茂木友三郎、東京都渋谷区千駄ヶ谷3−11−8)では、平成20年12月に「職員の人材育成に関するアンケート調査」を行い、このほど報告書としてまとめました。
この調査は全市町村に平成20年12月19日アンケート調査票を郵送し、平成21年1月23日に締め切りました。発送数などは次のとおりです。
◆発送数:全市区町村1,809団体
◆有効回収数:708団体
◆同回収率:39.1%
●調査の背景と内容
地方公共団体は、昨今の景気後退に伴う税収の減少、少子高齢化、情報化などの社会情勢変化のほか、地方分権の進展、公務員制度改革の推進など行政改革政策による急激な制度変化などに対応していく必要が生じている。
このような情勢のなか、平成20年度の地方公務員法改正では、職階性の廃止、人事評価制度の導入などが盛り込まれた。このことは職員の能力開発や処遇は、個々人の特性に応じて対応していくことになることを意味しており、職員の人材育成はより重要になっていくのではないかと考えられる。
こうした認識のもとに、地方自治体における人材育成の現状や課題などについてアンケート調査を実施した。
設問項目は次のとおりである。
・直面している重要な人事課題
・人材育成を図るために有効な諸制度
・職員の能力開発の状況及び階層別に向上させたい能力
・地方自治体として求められる職員
・実施している教育研修及び重要と考えている教育研修
・集合研修の実施状況
・教育研修に期待すること
・教育研修を展開する際の問題
・研修の重視する方向性
・新入職員の社会人基礎力の状況
・OJTの課題
・今後の中間管理職の仕事・役割
1.回答団体のプロフィール
(1) 市区町村別
回答いただいた地方自治体708団体の内訳は、「市区」が51.4%(365団体)と半数以上を占め、「町」39.5%(280団体)、「村」8.9%(63団体)と続いている。
(2) 職員数別
職員数の規模別では、「200〜500人未満」が28.2%(200団体)と最も多く、「100〜200人未満」20.3%(144団体)、「500〜10000人未満」19.2%(136団体)と続いている。。
2.主な調査結果
(1) 直面している重要な人事課題
直面している重要な人事課題の上位5位は次のとおりである。
| 第1位 |
メンタル面に問題を抱える職員の増加 |
52.0% |
| 第2位 |
職員の適正配置 |
47.3% |
| 第3位 |
人員削減 |
47.3% |
| 第4位 |
職場(組織)の活性化 |
43.5% |
| 第5位 |
能力主義の導入・推進 |
42.8% |
「メンタル面に問題を抱える職員の増加」が52.0%と半数を超えており、この問題が重要な位置を占めている。これを市区町村別に見ると、図1のように市区町村により異なった傾向が見られる。つまり、「メンタル面に問題を抱える職員の増加」は市区では第1位となっているが、町では第6位であり、村では第10位である。
また、「一般職員の能力開発」は市区では第8位であるが、町と村では第3位というように、市区と町、村でやや異なった傾向がある。さらに、町では「人員削減」が第2位であるが、村では第8位であり、町では「職員の年齢構成」が第8位であるが、村では第2位になっているなど、町と村の間でも異なっている面がある。
(2) 職員の能力の状況
1) 身についている能力
職員に必要と思われる能力を19に分けて、職員がそれぞれの能力についてどのような状況にあるかを見た。19の能力についてそれぞれの回答をポイントに換算して、スコア化した。結果は図2のように19の能力のうち、14がマイナスの方向を指向しており、プラスを指向しているのは次の5つの能力である。
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・リスク管理力 |
0.214 |
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・目標管理力 |
0.142 |
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・政策形成力 |
0.118 |
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・予見力 |
0.115 |
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・高度な専門知識 |
0.049 |
| 図1 市町村別食面している重要な人事課題(順位) |
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2) 階層ごとに向上させたい能力
図3のように、上位10位の能力のうち、各階層(管理職、監督職、中堅職員、一般職員)に共通しているのは「政策形成力」、「実行力」、「課題発見・解決力」の3つである。「政策形成力」は、監督職及び中堅職員で上位に位置しているが、管理職及び一般職員では中位から下位に位置している。また、「課題発見・解決力」は、管理職で第10位であるが、監督職以下は上位に位置している。
| 図2 職員の能力の状況(スコア化) |
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| <画像をクリックすると拡大> |
| 図3 階層別向上させたい能力(順位) |
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(3) 実施している教育研修
現在実施している教育研修の上位5位は次のとおりである。
| 第1位 |
外部機関で行われる1〜2日の集合研修 |
94.6% |
| 第2位 |
外部機関で行われるやや長い3〜5日の集合研修 |
86.9% |
| 第3位 |
研修担当部門で企画実施する集合研修 |
82.8% |
| 第4位 |
OJT |
47.2% |
| 第5位 |
部門ごとに企画実施する集合研修 |
43.8% |
(4) 研修の方向性
人材育成を進める上で教育研修は重要な役割を担うことになるが、研修の重視する方向性についての上位5位は次のとおりである。
| 第1位 |
専門研修の充実 |
64.7% |
| 第2位 |
階層別研修の充実 |
58.6% |
| 第3位 |
選択研修の充実 |
40.4% |
| 第4位 |
庁内講師による庁内研修の充実 |
34.6% |
| 第5位 |
外部講師による庁内研修の充実 |
30.4% |
「専門研修の充実」が最も割合が高く64.7%、続いて「階層別研修の充実」58.6%となっており、この2つが50%を超えている。第3位となっている「選択研修の充実」は40.4%と割合がかなり低くなる。
一時期、選択研修のメニューが増加し、受講する側の選択の幅が広がったことがあったが、最近では階層別研修の重要性が見直されていることなどが「階層別研修の充実」の割合が高いものとなった要因の一つと思われる。また、「庁内講師」や「外部講師」による研修の充実もそれぞれ30%を超えているので、「講師」の充実ということも一つの方向性を示しているものと思われる。 |