ゆとり(さとり)世代は何年生まれ?
前回は、若者が3年以内に3割が辞めることを厚生労働省のデータを使って説明しました。
今回から2 回にわたり、この若い世代に共通する価値観や行動スタイルについて考えてみましょう。

ゆとり世代とは、いわゆる「ゆとり教育」と呼ばれる学習指導要領によって教育を受けた世代を指します。
具体的には1987年から2004年生まれ(2025年時点で21歳から38歳)です。
さとり世代は1990年後半から2000年前半頃に生まれた人たちを指す言葉ですが、ゆとり世代と時期が重なっており明確な区別はありませ
ん。
私が大学に赴任した2014 年当時、さとり世代と言われた学生が「私たちは半ゆとりです」と言っていたのを思い出します。
ただしゆとり(さとり)世代の後半からZ 世代と言われる若者が出てきます。
世代は明確にここからと線引きはできません。
またコロナ禍がありその前後では意識や行動に違いが出ています。
私は赴任後から10 年以上学生たちを観察し、質問を投げかけていくことで、この世代の特徴を明らかにしていきました。
本人たちからも同意を得られたその特徴を紹介します。
ゆとり(さとり)世代の特徴
特徴1 小学校から大学まで「面倒見の良い世界」で育ち、レールのない世界に弱く失敗を恐れる。
この世代は名言に反応することが多いので、1 年生の授業では偉人の名言を良く引用します。
名言には“ 失敗してもやりなおせばよい”“ 失敗から学ぶ” という内容が多く、社長の失敗事例も取り上げます。
学生たちは「失敗しても良いのですか」「成功した社長は失敗がないと思っていた」という反応をします。
失敗したり落ち込んだりした時に支えてくれる自分だけの“ 魔法の言葉”(名言や格言)を持っていることも多いです。
この世代はレールから外れることに不安があるので、10 年ほど前は留学に対しても「怖い」という声が聞かれました(現在は少し変化しています)。
特徴2 「 自分で道を開け、自分で考えろ!」「辛抱・我慢、先輩の真似をしろ」「石の上にも三年」という昭和感覚は通用しない。
レールを外れて挑戦することに及び腰であることに加えて、時間軸が極端に短く”辛抱、我慢“ といった昭和的な価値観は通用しません。
私は冗談交じりに「石の上にも3 分世代」と言っています。
特徴1も含め、就職氷河期を生き抜き、昭和の価値観を引き継ぐ上司とは大きな世代間ギャップがあるのです。
特徴3 本人たちの成長欲求(知識、行動、人間として)は非常に高い。成長できなかったらどうしようと不安に感じる。
及び腰な反面、成長欲求が非常に高いのもこの世代の特徴です。
成長したいのであれば、努力をすれば良いと思うのですが、その欲求が、意欲や行動にうまくつながりません。
成長できなかったらどうしようと不安に感じているのです。
しかしこの成長欲求をうまく活かすことが指導の重要なポイントになります。
特徴4 離職理由の背景にあるのは職場の人間関係であることが多い。
私は在学中の学生に、「アフターフォロー付きだから就職して困ったことがあれば、いつでも連絡をしなさい」と伝えています。
相談で多いのは「上司や同僚とうまくいかない」「仕事が合わない」「ハラスメントを受けた」といった内容です。
しかし仕事やハラスメントの理由を掘り下げると、その多くは人間関係が原因であるようです。
人間関係に敏感で、不安を抱えている世代とも言えるのです。
さて次回はZ 世代の特徴についてもお伝えしたいと思います。
この記事の執筆者
橋本堅次郎(はしもと・けんじろう)
日本文理大学学長
専門分野は経営学、組織変革、流通経営。「組織と人の成長に貢献する」が長年のミッション。小売業・コンサルタントファームを経て役員・管理職として食品業(東証1部)等の上場に携わる。
人材育成事業を起業後、2011年より日本文理大学経営経済学部教授として学生と社会人の指導、地域活性活動を行い、ミッションの実現に尽力している。2021年4月より日本文理大学学長に就任。