【第3回】Z世代の特徴

【第3回】Z世代の特徴
組織とマネジメント
2025/04/01
連載:なぜ若者は3年で辞めるのか―ゆとり・さとり・Z世代の成功の指向パターン―

※本記事は、『オムニ・マネジメント』2025年4月号掲載内容を再編集のうえ掲載しています。

若手社員の早期離職は、多くの企業・自治体に共通する課題となっています。
「せっかく採用した若手がすぐ辞めてしまう」「どう接すればよいのか分からない」――こうした悩みを感じている方も多いのではないでしょうか。
「3年以内3割」と言われる現象は、なぜ繰り返されるのでしょうか。
本シリーズでは、世代特性や時代背景を踏まえ、その構造を整理するとともに、この世代の事例を通じて、若手の行動や意思決定の実像に迫ります。理論と実例の両面から、現場で活かせるヒントを探っていきます。

(文:D-OMNi編集部)

ゆとり世代とZ世代

前回はゆとり(さとり)世代の特徴についてお伝えしました。その特徴を引き継ぎながらZ世代と言われる若者達が登場しました。1990 年代後半から2010年代前半生まれと言われています。28 歳前後から中学生くらいでしょうか。

彼らを観察していると世代はひとくくりにできず、Z世代の中でも先駆け世代など様々なグループがあるように思います。しかし今までと異なる世代が出てきたことは間違いありません。

特徴は「しなやかに柔軟に、楽しみながら目標に向かう行動力」です。
そのZ世代の特徴を持った先駆け世代の例を取り上げましょう。

大谷翔平さん(1994年生まれ、プロ野球選手)

2023 年WBC 決勝の試合前、大谷さんは柔らかな表情でメンバーにこう伝えました。
「憧れるのをやめましょう」「僕らは今日超えるために、トップになるために来た」」「さっ!行こう!」。その他にも「楽しみましょう」などもありましたね。

昭和世代だったらどうでしょう。緊張した難しい顔で「集中して頑張ろう」と気合を入れたことでしょう(この段階ですでに世代間ギャップがあるのです)。

平原依文(ひらはらいぶん)さん(1993年生まれ、社会起業家、青年版ダボス会議日本代表)

平原さんのセミナーに参加して感じた事は、幅広く多方面で活躍しておられるのですが、気負ったところが少しもなく自然体ということでした。少しお話もしたのですがとても謙虚で柔らかさを持った方でした。
経歴が非常に興味深いのでぜひ調べてみてください。

廣津留(ひろつる)すみれさん(1993年生まれ、バイオリニスト、社会起業家)

大分市出身で高校卒業後、ハーバード大学首席卒業、ジュリアード音楽院最優秀賞と幅広く才能を発揮されました。
コンサートで一度、お会いしましたが平原さんと同様、気負ったところがなく自然体というのが印象的でした。

Z世代の特徴とは

画像:生成AI作成
Z世代の特徴を改めて紹介します。4つにまとめてみました。

 

1. しなやかに柔軟に、楽しみながら目標に向かう行動力
2.“ 自由で面白く伸び伸びとやりたい”という価値観

「自由」「面白い」「伸び伸び」というキーワードは、2024 年本学付属高校で実施したアンケートの「大事にする価値観」という設問においても、多く挙がりました。

3 .チル(Chill)&ミー(Me)

“まったり”&“自分を認めて欲しい” (自己承認欲求)

これは、原田曜平先生(芝浦工大教授)が講演会(2024年6 月)で取り上げた キーワードです 。「チル」は英語のスラングで「Chill out」の略です。

このZ 世代の「まったり」に関するエピソードがあります。
本学は近隣の駅から大学まで大学バスを運行しています。このバスの車内が少し混雑してくると、学生たちは乗るのをやめて次を待ちます。
昭和世代の私は“ 早くたくさん乗せて、早く運ぶ” という価値観ですから見ているとイライラします。
そこはぐっと我慢して顔見知りの学生に「まだ乗れるのになぜ乗らないの?」と聞いてみました。

「だって先生、次のバスはすぐ来るしガラガラですよ」。

詰めて乗る必要はなく、次のバスで授業には間に合うので学生たちは“ まったり” して(のんびり、落ち着いて)いたのです。

自己承認欲求については“ 私を認めて欲しい” という強い気持ちではなく“ 私に気づいて欲しい” という柔らかい承認欲求のように感じます。
ですからこちらから挨拶をする(先手挨拶)や何か不自然さや不具合な事にこちらから気づくこと(観察力や配慮)が大事のように感じます。

4 .社会課題(社内課題)に敏感

我々、昭和世代は社会正義の世代です。正しいか正しくないか、悪いか悪くないかが基準の世代です。
Z世代は社会課題(社内課題)に敏感で社会課題(社内課題)をどのように解決するかに関心が高いようです。

さて、次回はZ世代をさらに詳しくグループに分けて考えてみましょう。

 

この記事の執筆者

橋本堅次郎(はしもと・けんじろう)

日本文理大学学長

専門分野は経営学、組織変革、流通経営。「組織と人の成長に貢献する」が長年のミッション。小売業・コンサルタントファームを経て役員・管理職として食品業(東証1部)等の上場に携わる。 人材育成事業を起業後、2011年より日本文理大学経営経済学部教授として学生と社会人の指導、地域活性活動を行い、ミッションの実現に尽力している。2021年4月より日本文理大学学長に就任。

キーワード:部下コミュニケーション成長社会悩み
連載名:連載:なぜ若者は3年で辞めるのか―ゆとり・さとり・Z世代の成功の指向パターン―
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