【第5回】今日からできる、人間関係をスムーズにする考え方

【第5回】今日からできる、人間関係をスムーズにする考え方
こころと暮らし
2026/10/23
連載:姫野友美の「脳と腸から人生を整える」

私たちの判断や感情、人との関係の築き方は、思っている以上に脳や腸の働きの影響を受けています。
その状態を整えることで、仕事への向き合い方だけでなく、家族や身近な人との関係、日々の行動や意欲のあり方にも変化が生まれていきます。
筆者は、心療内科医・医学博士として、ストレスによる不調や食事と心身の関係について、診療や著書、メディアを通じて発信してきた姫野友美先生。
本連載では、脳と腸のしくみを手がかりに、人生全体のコンディションを整える視点をお届けします。

(文:D-OMNi編集部)

人間関係がうまくいかない理由

AI制作によるイメージ画像

どれだけ便利な時代になっても、人間関係のストレスは減ることがありません。

実際、社会人の離職理由では「給与が低い」や「労働時間が長い」に続き、「職場の人間関係や雰囲気の悪さ」が常に上位を占めています。

なぜうまく行かないのでしょうか?
それは人によって考え方や捉え方が根本から違うからです。

「そんなことは知っている」と思われるかも知れません。
しかしその違いは単なる“感情のすれ違い”ではなく、生物学的なレベル、つまり「脳内ホルモンの働き方」の違いに原因があるのです。

第1回のテーマで「脳内ホルモンのバランスで性格も変わる」とお話ししたように、人の性格はどの脳内ホルモンが優勢であるかで決まってきます。
たとえば『セロトニン寄りなら、ほのぼの平和主義』や『ノルアドレナリン寄りなら、理性的で決断力高め』というように、性格や行動のベースが方向づけられています。

しかもこの性格傾向は、日々の栄養状態によって容易に変動します。

脳内ホルモンの多くは腸内で作られるため、多忙で偏った食事が続くと腸内環境が乱れて、脳内ホルモンの合成が間に合わなくなります。
その結果、判断力が鈍ったり、怒りっぽくなったりしてしまうのです。

さらに忙しさから睡眠不足が続けば、栄養素の無駄使いになってパフォーマンスが低下するばかり。
脳内ホルモンの合成不足は、安定した心身の働きを確実に停滞させていきます。

このように、体調や栄養状態によって人の気分や行動は不安定になります。
「今日のAさん、ピリピリしてない?」という現象が起きるのは、ごく自然なことなのです。

だからこそ、人間関係のモヤモヤをうまく切り抜けられるよう、相手の「傾向と対策」を押さえおくことがポイントになります。

その具体的なヒントに活用したいのが、「コーチング」の理論です。

4つのタイプを知って、傾向と対策を練る

コミュニケーションを円滑にする「コーチング」の理論では、次のように4つのタイプに分類します。
それぞれに特徴があり、同じ言葉でも受け止め方が違う理由が見えてきます。

親分肌の「コントローラー」タイプ

【脳内傾向】ドーパミン+ノルアドレナリン

特徴 行動的でエネルギッシュ。
決断力が高く、場をリードする。
行動 ペースが早く結論を急ぐ。
腕組みや足組みをしがち。
指示されると反発する。

例

・織田信長 ・曹操 ・ジャイアン(ドラえもん) ・ゾロ(ONE PIECE) ・安室透(名探偵コナン)

楽しい「プロモーター」タイプ

【脳内傾向】ドーパミン + セロトニン系

特徴 アイデアが豊富で想像力豊か。
夢を語るのが大好きな目立ちたがり屋。
行動 身振り手振りが大きい。
「すごい!」「最高!」や、「ガシッと!」「バンバン!」などの擬態語が多い。

例

・豊臣秀吉 ・坂本龍馬 ・ルフィ(ONE PIECE) ・服部平次(名探偵コナン)

和が大事な「サポーター」タイプ

【脳内傾向】セロトニン系

特徴 いわゆる「いい人」。
人を支えることが好きで、協調性と気配り上手な癒やし系。
行動 相手の意見を優先し、チームの調和を何よりも大切にする。

例

・ドラえもん ・フグ田マスオ(サザエさん) ・チョッパー(ONE PIECE) ・毛利蘭(名探偵コナン)

冷静沈着な「アナライザー」タイプ

【脳内傾向】ノルアドレナリン系

特徴 分析やデータを重視する。
客観的かつ論理的思考の持ち主。
慎重で完璧主義。
行動 粘り強く真面目。
一方で、納得するまで動かない頑固な一面も。

例

・徳川家康 ・諸葛孔明 ・ニコ・ロビン(ONE PIECE) ・ 江戸川コナン/工藤新一(名探偵コナン)

これらの4つを読んでみて、あなた自身や職場の気になる人はどのタイプに当てはまりそうでしょうか? 
次回は、このタイプ別の傾向をベースにした、スムーズに仕事を回すための具体的な「対策(関わり方のコツ)」をお届けします。

※参考資料『図解 コーチング流タイプ分けを知ってアプローチするとうまくいく』伊藤守監修、鈴木義幸著(ディスカバー)
「あの人、穏やかな日とピリピリしている日があるな……」そんな経験はありませんか?
つい「気分にムラがある人だな」と思ってしまいますが、実は忙しさや睡眠不足などが脳内ホルモンの働きに影響しているのかもしれません。

そして、それは自分自身も同じこと。人間関係を良くしたいと思ったら、自分の食事や睡眠を見直してみることも大切かもしれません。

この記事の執筆者

姫野 友美(ひめの ともみ)

ひめのともみクリニック院長

医療法人社団 友徳発心会 ひめのともみクリニック 院長、元日本薬科大学薬学科 教授、心療内科医、医学博士。 東京医科歯科大学(現東京科学大学)医学部卒業後、九州大学医学部心療内科勤務を経て現クリニック開設。
テレビ東京「主治医が見つかる診療所」などラジオ、新聞、雑誌でもストレスによる病気・症候群などのコメンテーターとして活躍。
『心療内科に行く前に食事を変えなさい』(青春出版社)
男女のすれ違いを腸で解決する驚きの最新医学『急に不機嫌になる女 無関心になる男』(青春出版社)
『認知症になりたくなければラーメンをやめなさい』(講談社)など著書多数。
最新刊は『ごはんを変えると人生が変わる』(大和書房)

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キーワード:組織チームコミュニケーション健康家庭メンタル
連載名:連載:姫野友美の「脳と腸から人生を整える」
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