私たちの判断や感情、人との関係の築き方は、思っている以上に脳や腸の働きの影響を受けています。 その状態を整えることで、仕事への向き合い方だけでなく、家族や身近な人との関係、日々の行動や意欲のあり方にも変化が生まれていきます。 筆者は、心療内科医・医学博士として、ストレスによる不調や食事と心身の関係について、診療や著書、メディアを通じて発信してきた姫野友美先生。 本連載では、脳と腸のしくみを手がかりに、人生全体のコンディションを整える視点をお届けします。
(文:D-OMNi編集部)
目次
どれだけ便利な時代になっても、人間関係のストレスは減ることがありません。 実際、社会人の離職理由では「給与が低い」や「労働時間が長い」に続き、「職場の人間関係や雰囲気の悪さ」が常に上位を占めています。 なぜうまく行かないのでしょうか? それは人によって考え方や捉え方が根本から違うからです。 「そんなことは知っている」と思われるかも知れません。 しかしその違いは単なる“感情のすれ違い”ではなく、生物学的なレベル、つまり「脳内ホルモンの働き方」の違いに原因があるのです。 第1回のテーマで「脳内ホルモンのバランスで性格も変わる」とお話ししたように、人の性格はどの脳内ホルモンが優勢であるかで決まってきます。 たとえば『セロトニン寄りなら、ほのぼの平和主義』や『ノルアドレナリン寄りなら、理性的で決断力高め』というように、性格や行動のベースが方向づけられています。 しかもこの性格傾向は、日々の栄養状態によって容易に変動します。 脳内ホルモンの多くは腸内で作られるため、多忙で偏った食事が続くと腸内環境が乱れて、脳内ホルモンの合成が間に合わなくなります。 その結果、判断力が鈍ったり、怒りっぽくなったりしてしまうのです。 さらに忙しさから睡眠不足が続けば、栄養素の無駄使いになってパフォーマンスが低下するばかり。 脳内ホルモンの合成不足は、安定した心身の働きを確実に停滞させていきます。 このように、体調や栄養状態によって人の気分や行動は不安定になります。 「今日のAさん、ピリピリしてない?」という現象が起きるのは、ごく自然なことなのです。 だからこそ、人間関係のモヤモヤをうまく切り抜けられるよう、相手の「傾向と対策」を押さえおくことがポイントになります。 その具体的なヒントに活用したいのが、「コーチング」の理論です。
コミュニケーションを円滑にする「コーチング」の理論では、次のように4つのタイプに分類します。 それぞれに特徴があり、同じ言葉でも受け止め方が違う理由が見えてきます。
【脳内傾向】ドーパミン+ノルアドレナリン
例
【脳内傾向】ドーパミン + セロトニン系
【脳内傾向】セロトニン系
【脳内傾向】ノルアドレナリン系
この記事の執筆者
姫野 友美(ひめの ともみ)
ひめのともみクリニック院長
医療法人社団 友徳発心会 ひめのともみクリニック 院長、元日本薬科大学薬学科 教授、心療内科医、医学博士。 東京医科歯科大学(現東京科学大学)医学部卒業後、九州大学医学部心療内科勤務を経て現クリニック開設。 テレビ東京「主治医が見つかる診療所」などラジオ、新聞、雑誌でもストレスによる病気・症候群などのコメンテーターとして活躍。 『心療内科に行く前に食事を変えなさい』(青春出版社) 男女のすれ違いを腸で解決する驚きの最新医学『急に不機嫌になる女 無関心になる男』(青春出版社) 『認知症になりたくなければラーメンをやめなさい』(講談社)など著書多数。 最新刊は『ごはんを変えると人生が変わる』(大和書房)
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