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ノマドワーカーの働き方実態調査報告書

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『ノマドワーカーの働き方実態調査報告書』とは

ノマドワーカーの働き方実態調査報告書 一般社団法人日本経営協会(会長:浦野光人)では、ノマドワーカー(ノマド(nomad)とは英語で遊牧民のことです。)に対し「ノマドワーカーの働き方等の実態に関する調査」を、企業・団体に対し「ノマドワーカーの活用等に関する実態調査」を実施し、その結果を『ノマドワーカーの働き方実態調査報告書』としてとりまとめました。
●調査の背景とねらい
近年、定まった勤務先(仕事先)を持たず、転々と働く場所を変えながら、自らが労働時間を裁量的に設定して働き、成果を挙げている人たちが増えているといわれています。これらの人々はあたかも遊牧民のようにして働くことから、ノマドワーカーといわれるようになっています。
ノマドワーカーは、特定の組織や会社に恒久的には属さず、手掛ける仕事内容や顧客の所在地に応じて居住地や仕事場を変えるなど、柔軟な働き方をしながら価値を創造しようとしますが、この働き方は、情報通信技術が高度化し、コミュニケーションコストが廉価となったことが追い風になって、可能性が広がった働き方という側面を持ちます。
一方、企業等の組織においては、市場での競争力を高めて市場優位性を得るため、そして自らの経営における強みを伸ばし弱みを補うため、組織の外にいるノマドワーカーを活用することが増えているようです。
本会では、これらの点に着目して、ノマドワークおよびノマドワーカーを、これから注目される新たな働き方の一形態であり、新たな人材であるとして、今回その労働実態や意識等について調査いたしました。
●調査方法、対象者数
調査はノマドワーカー個人に対してはWEB調査法にて、企業・組織体に対しては質問紙調査法およびWEB調査法を併用して実施しました。ノマドワーカーに対するWEB調査は平成25年11月29日~12月1日に実施し、有効回答数は236人です。
企業・組織体に対するWEB調査は平成25年11月29日~12月1日に実施し、質問紙調査は郵送法にて平成25年11月14日~11月29日までの期間に実施し、合計で212社の有効回答数を得ました。調査の対象は部長、次長、課長クラスの管理職です。

「ノマドワーカーの働き方実態調査報告書」内容

  • 結果概要
  • 提言
  • 調査方法・回収状況
  • 回答者のプロフィール
  • 第1章 ノマドワーカーの仕事と働き方の現状
    (1) ノマドワーカーの仕事内容
    (2) 仕事場所と月平均の仕事時間
    (3) ノマドワーカーとなった理由
    (4) ノマドワークに対するノマドワーカー自身の評価
    (5) 働くうえで重視することと働くうえでの信条・ポリシー
    (6) 仕事上の不安
    (7) 自信のある能力等
    (8) 能力の維持・向上のため実施すること
    (9) ノマドワーカーの今後の働き方
    (10) ノマドワークを友人・知人に勧めるか
    (11) ノマドワーカーの起業志向
    (12) 必要とする社会からの支援等
    参考1 ノマドワーカーがみるフリーランスとの違い
  • 第2章 ノマドワーカーに対する企業・組織体における実態
    (1) ノマドワーカーに対する認識
    (2) ノマドワーカーの活用実態
    (3) ノマドワーカーの連携・活用分野とそのねらい
    (4) ノマドワーカーと連携・活用しない理由
    (5) 経営資源の外部からの調達、経営におけるスピード化、創造性の発揮
    (6) 経済の情報化やグローバル化と外部のノマドワーカーとの連携・活用の関係
    (7) ノマドワーカーと連携・活用が考えられる分野
    (8) ノマドワーカーとの連携・活用形態
    (9) ノマドワーカーに求める能力・スキル、行動・態度、そして評価基準
    (10) ノマドワーカーとの連携に当たり必要となること
    (11) ノマドワーカー的働き方の状況
  • 第3章 ノマドワーカー調査の結果と企業・組織体調査の結果との対比
    (1) ノマドワーカーの仕事分野と企業・組織体の連携分野
    (2) ノマドワーカーの仕事分野と企業・組織体が今後連携を考えている領域
    (3) ノマドワーカーが自信のある能力等と企業・組織体が求めている能力・資質
  • 資料編
    ノマドワーカーの働き方等の実態に関する調査(個人調査)
    ノマドワーカーの活用等に関する実態調査(組織体調査)
  • ノマドワーカーの働き方実態調査 結果概要
    1.ノマドワーカー調査から
    1) ノマドワーカーとなった理由は自分の能力やスキルを活かすため
     ノマドワーカーとなった理由は「自分の能力やスキルがより活かされると考えたので」(56.4%)が最も多い。ノマドワーカーは自分の専門性にこだわりと自負心を持っており、自分の能力やスキルを活かすべく現在の働き方を選んでいる。
    2) ノマドワーカーはスキル発揮や仕事内容、自己裁量性、ワークライフバランスの満足度が高い
     ノマドワークに対する評価は、仕事でのスキル発揮や内容、自己裁量性、ワークライフバランスについては満足しているが、収入水準については満足していないノマドワーカーの方が多い。
    3) 働くうえで重視することは専門能力・専門性を発揮すること
     「自分らしく働くこと」(70.3%)、「専門能力・専門性を発揮して働くこと」(63.1%)の2 つが半数を超える回答となっており、ノマドワーカーは自己効力感を持って自分のアイデンティティを尊重しつつ能力発揮することを重視するワーク・ライフスタイルを持つ人々といえる。ノマドワーカーは自己に対する信認(セルフコンフィデンス)が高く、自己効力感(セルフエフィカシー)のある、個人としての自立を志向する人たちである。
    4) ノマドワーカーの不安は経済面に関すること
     ノマドワーカーの主な不安は「収入が少ないとき・収入見通しが立たず先細りが懸念されるとき」(71.6%)、「継続的な顧客がいないとき・顧客が減り続けるとき」(44.9%)、「ひとりで仕事するため仕事や顧客が広がらないとき」(35.6%)であり、経済的な面がノマドワーカーの主要な悩みといえる。
    5) 自信のある能力は専門知識・技能
     自信のある能力は「専門知識・技能(専門性)」(73.3%)であり、他の項目とは30 ポイント以上の大きな差がある。以下、「一般社会常識(常識力)」(38.6%)、「価値創造力(創造力)」(33.9%)、「コミュニケーション・傾聴力(コミュニケーション力)」(31.8%)と続いている。
    6) 仕事に関する最新情報を身につけ、最先端を維持できるよう専門スキルを磨く
     能力の維持・向上のため実施することは、「仕事に関する最新情報を身につけるようフォローしている」(58.1%)、「常に最先端を維持できるよう専門スキルを磨いている」(44.1%)と、常に知識をアップデートし、時代に即応して専門スキルを維持・向上させるべく努力している。
    7) 今後もノマドワーカーという働き方を続けたいと考える
     10 年後も同じ働き方をしていると思うかについては、「思う」が30.5%で、かならずしも多くはない。一方、10 年後も同じ働き方をしていたいと思うかについては「思う」は44.5%で、ノマドワークを続けたいとする人は約半数を占める。
    2.企業・組織体調査から
    1) ノマドワーカーを活用する事例は少なくない
     ノマドワーカーとの連携・活用実態は、「連携したり活用したりしている(していた)」が19.3%であった。ノマドワーカーと実際に連携したり活用したりする企業・組織体は2 割程度を占め、少なくない。ノマドワーカーは個人として孤立して働いている人ばかりではないようである。
    2) ノマドワーカーの活用は専門スキルの活用にある
     ノマドワーカーの活用理由は、「専門スキルを活用するため」(63.4%)、「自社(組織)にない知識や情報等を活用するため」(41.5%)が主な理由である。この結果からみるところ、外部から高い専門性と事業に欠かせない知識・情報を調達・導入して、事業展開に役立てるためにノマドワーカーと連携・活用している。
    3) ノマドワーカーと連携・活用しない理由は情報漏えい・信用性・能力への不安、懸念にある
     「機密や内部情報が漏えいする(情報漏えいへの影響)」(44.7%)、「信用できる相手かどうか分からない(信用・信頼性への不安)」(38.8%)、「能力や専門性のレベルが分からない(能力・スキルの不安)」(36.8%)であり、機密・内部情報の取り扱いの問題や、ノマドワーカーへの信用性・能力の不安が挙げられている。
    4) ノマドワーカーとの連携・活用は今後進むと考えられている
     人材等の経営資源の外部からの調達や経営におけるスピード化、創造性の発揮が一層求められるようになると考える企業・組織体は、その目的のために外部のノマドワーカーとの連携・活用の機会が増えると考えるかどうかを確認したところ、「機会は増える」(56.3%)が半数以上を占めている。経営資源の外部調達、経営におけるスピード化、創造性の発揮のためにノマドワーカーと連携したり活用したりする機会が増えると予想される。
    5) ノマドワーカーに求めるものは専門性と結果そのもの
     ノマドワーカーに求める能力・スキルとしては、第一に「専門知識・技能(専門性)」(75.9%)である。求める行動・態度は、「プロ意識を持って成果・ミッションを達成すること」(75.5%)、「コンプライアンスを遵守すること(職務倫理を守ること)」(53.3%)、「成果・ミッション達成に向けコミットメントすること」(51.4%)である。ノマドワーカーを評価する際の評価基準に
    ついては、「成果そのものの内容(質)」(72.6%)、「専門能力の内容(質)」(53.3%)と、ノマドワーカーに求めることは専門知識・スキルを活かして結果を出すことである。
    6) ノマドワーカーと連携するうえではノマドワーカーの持つ多様性へ対応することが必要である
     組織において必要となることとしては「組織内における多様性・異質性の取込みと共生(多様な意見(考え)の取込みと共生)」(52.8%)が半数を超える。一方、個々の社員において必要となることは、「個々の社員の意識変革」(59.4%)、「個々の社員の能力向上」(54.2%)であり半数を超える。この結果から見て、ノマドワーカーと連携することにより、自社の社員への刺激とするねらいもあることがうかがわれる。