1 サービス業の利用履歴と利用したいもの(問1) |
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サービス業の利用履歴 |
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これまでに個人として利用したことのあるサービスは、「観光」、「交通」、「宅配」、「販売」、「医療」がそれぞれ80%以上と高く、以下「窓口」、「娯楽」、「美容」、「行政」が70%台で続いている。一方、「コンサル」、「業務代行」、「人材」、「IT」の利用はいずれも20%以下と低い。 |
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質問文で<業務ではなく個人として>と表記したことから、コンサルティングや業務代行サービス、派遣、ITシステム関連等の“ビジネス寄り”サービスが低位を占めたものと思われる。 |
(2) |
サービス業で利用したいもの |
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これから(も)個人として利用したいサービスは、「交通」、「観光」、「販売」、「宅配」、「医療」がそれぞれ70%以上と高く、以下「窓口」、「美容」、「娯楽」、「行政」、「冠婚葬祭」が60%台で続いている。一方、「コンサル」、「人材」、「IT」、「業務代行」はいずれも30%以下と低い。 |
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(1)と同様に、「コンサル」、「人材」、「IT」、「業務代行」等は、個人では少なく、法人またはビジネスで利用することがふさわしいと思われている様子である。 |
2 『対人社会サービス』にあてはまるサービス業(問2) |
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この調査で定義する『対人社会サービス』にあてはまるサービス業として、「医療」、「福祉」、「行政」がそれぞれ70%以上と高く、以下「教育」、「窓口」、「健康」(62.0%)が60%台で続いている。 |
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「IT」は『対人社会サービス』にあてはまるとする回答が唯一20%台で最も低く、これまでの利用履歴やこれからの利用意向の低さと同様に、個人として利用しやすい『対人社会サービス』とみなされていない姿がうかがえる。 |
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このように、いわゆる福祉系のサービスや福祉に近い(医療、健康等)領域を中心に『対人社会サービス』の概念が構築されており、ビジネスとして先行または定着しているようである。 |
3 利用したいサービスに共通する要素(問3) |
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今後(も)利用したいサービスに共通する要素は、「誰か(どこか)の専門的な知識やスキルを信頼して任せたい」が群を抜いて高く、「誰か(どこか)に頼まないと、自分ではコントロールできない」、「自分でもできなくはないが、頼めるものなら頼みたい」が続いている。一方、「誰(どこ)に頼んでも、成果に差が生じにくい」や「頼みたいけれど、自分(身内)で行うのが一般的だと、多くの人に思われている」、「少し前までは、誰か(どこか)に頼めなかったが、頼めるようになった」等は低い。 |
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サービスの受け手としては、頼む相手の「専門性」に信頼を見い出す傾向や、単なる外注ではなく、自力では達成できない(達成しにくい)サービスの提供を望む傾向が顕著となっている。 |
4 『対人社会サービス』の認知事例(問4) |
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認知事例としては、「福祉」関連の回答(介護サービス、高齢者支援、デイケアサービス等々)が22件と最も多く、以下「家事」関連(掃除、買物等代行、子育て支援等々)が10件、「教育」関連(外国人へのサービス等)と「資産」関連(年金プランナー等)が各7件などとなっているが、個別のニーズを表明するケースが33件と最も目立つ。 |
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当アンケート票の表紙で対人社会サービスについて説明したとはいえ、世の中に確固たる定義があるわけではないことから、回答者個人がたまたま体験した事柄が多く記されているようであるが、今後の調査研究における分類のあり方を模索するうえで、貴重な事例の記述となっている。 |
5 『対人社会サービス』領域への事業としての魅力・可能性(問5) |
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『対人社会サービス』事業の魅力・可能性について、「感じる」、「どちらかといえば感じる」と答えた割合は、“健康・自律支援の領域”(「感じる」43.2%、「どちらかといえば感じる」33.4%)が最も高く、“生活環境・自立支援の領域”、“リスクヘッジ・管理支援の領域”、“成長・いきがい支援の領域”がこれに続く。一方、“人的交流支援の領域”、“経済生活支援の領域”、“アミューズメント支援の領域”は比較的低い。 |
6 『対人社会サービス』事業の領域別取り組み状況と取り組む予定や計画(問6) |
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回答者の現就業先における、『対人社会サービス』領域別の事業取り組み状況と今後の取り組み予定については、“健康・自律支援の領域”で「現在、事業として取り組んでいる」(26.7%)、「今後、事業として取り組む予定(計画)がある」(7.9%)がともに最も高い。
なお、「現在、事業として取り組んでいる」は“リスクヘッジ・管理支援の領域”、“成長・いきがい支援の領域”、“アミューズメント(楽しみ)支援の領域”、“生活環境・自立支援の領域”でもそれぞれ20%強を示している。 |
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その他の領域を除いた7つの領域のそれぞれについて、事業としての魅力・可能性を「感じる」と答えた層に絞ってみると、“アミューズメント支援の領域”に事業としての魅力・可能性を「感じる」層による「現在、(“アミューズメント支援の領域”を)事業として取り組んでいる」(41.4%)が最も高い。このことから、アミューズメント系領域における事業化の進展ぶりがうかがえる。 |
7 『対人社会サービス』についての見方や考え方(問7) |
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『対人社会サービス』への見方や考え方として、「今後、身の回りのサービスの中でますます重要になる」(57.8%)、「必ずしも明示されていなくても、それらと同様の仕事や業務もある」(49.2%)、「行政が行うより、民間がビジネスとして行うほうが効率的である」(45.0%)、「従事する就業者とサービス利用者の意思の疎通を図ることが重要になる」(41.3%)の順に回答が寄せられた。
一方、「『対人社会サービス』は、これまでの「サービス業」という枠を超えて、例えば製造業や建設業、小売業などにも広がりつつある」(24.9%)、「事業として『対人社会サービス』のジャンルを意識的に取り込んでいこうとする傾向が、業種・業態を問わずますます増える」(26.1%)、「自分の現在の就業先(の業務)にも関係するケースが増える」(26.7%)については、やや低位に留まっている。 |
8 『対人社会サービス』に従事する就業者にとっての魅力(問8) |
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従事する就業者にとっての魅力をたずねたところ、「ある程度の専門性を発揮できる」、「相手の事情に沿ったケースバイケースのサービスを提供できる」、「その事業に従事していることによって社会貢献していると思える」という、専門性や社会貢献性に関する項目にそれぞれ過半数の回答が集中した。就業者にとって就業意識を支える原動力は、「専門性」、「個別(ケースバイケース)対応力」、「社会貢献性」の高さといえそうである。
一方、「多くの金銭的対価が得られる」、「非正規労働やアルバイト的な短期就労ではなく、正規の就業者で行われる」、「女性にとっては、より能力やスキルを発揮できる分野である」、「個人の能力・スキルと組織の能力・スキルを同時に高めることができる」は、低位に留まっている。 |
9 『対人社会サービス』に従事する人に求められる姿勢・能力(問9) |
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従事する人に求められる姿勢・能力としては、「コミュニケーション力」に90%の回答が寄せられ、以下「状況把握力・適応力」、「共感力・想像力」、「専門知識・スキル」、「課題解決力」、「実行力」が50%台で続いている。それらに比べて「チャレンジ精神」、「楽観性(ポジティブ精神)」、「主体性」への回答は低く、能動的な姿よりも双方向性や受け身の姿勢が求められる傾向にあるといえる。 |
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問8に見るようにサービスを提供する側は“高度な専門性”や“社会貢献意識”といった姿勢を事業における魅力とするが、サービスを受容・購入するサイドからは、まずは「コミュニケーション力」が求められるなど、『対人社会サービス』の提供側と利用側で対照的な要素も浮かび上がることとなっている。 |
10 『対人社会サービス』が事業として成り立つ要素(問10) |
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『対人社会サービス』事業の成立要素は、「利用者の仕事や生活の質を高める支援を通じて、社会の利益に役立つ価値を提供している」(57.4%)を筆頭に、「目的として、もしくは結果として個人のニーズ(個別課題)と社会のニーズ(社会課題)の充足をつなげている」、「専門領域の知識と高度な対人技術によって、人が人に直接個別課題の解決を提供している」、「役務の提供の過程において、金銭的な対価だけでない感謝など目に見えないものも交換されている」、「サービスを提供する過程で、提供側の人と組織の社会的能力をも向上させ、信頼性と認知を高めている」の順となった。 |
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ただし、各項目への回答率の差は小さく、ここであげた5つの要素のいくつかが重層的に絡み合うことを通して、事業としての成り立ちが認知され、同時に領域やジャンルに関する分類も明確にされるものであろうことがうかがえる結果となった。 |