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自治体dX研究会 第6回レポート

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第6回 磐梯町のデザインの取組み 前田 聰一郎氏(磐梯町デジタル変革戦略室CDO補佐官(デザイン担当)))がゲスト登壇


本研究会は、一般社団法人日本経営協会が主催し、研究会の座長を自治体DX白書共同編集委員長の菅原直敏氏が務めております。研究会では「これから自治体DXに取り組む」「どのように推進したらいいか悩んでいる」といった自治体のDX担当者さまのお悩み解決の一助になる内容を企画しております。
今回は、全6回の研究会のうち、3月13日(月)の第6回についてレポートいたします。

▼自治体dX研究会参加申し込み・研究会のスケジュール等はコチラ▼
https://www.noma.or.jp/gyosei/dx/tabid/915/Default.aspx 

自治体DX全体手順書【第2.1版】対応 推進体制の整備(ステップ2)を読み解く

第6回の前半「自治体DX全体手順書」読み解きは「人材の重要性」中心に全体総括をしました。

全体手順書は「ステップ0:認識共有・機運醸成」「ステップ1:全体方針決定」「ステップ2:推進体制整備」「ステップ3:実行」と4つの構成でつくられています。内容の約9割がステップ0~2となり、全体の約半分は「人材」が主題です。
ステップの順に「認識共有・機運醸成」「全体方針」と進めていくと「自治体DXでなにをしたらいいのかわからない状態」が「なにをしたらいいのかわかる状態」になります。しかし同時に多くの自治体が「推進体制の整備(ステップ2)」の「どうやってやっていくのか」「誰とやっていくのか」という壁につきあたります。

このとき、自治体DX推進の成否を大きく左右するのが「人材」です。そのなかでも「外部人材の任用」がポイントになります。ここで求められる外部人材は、高度なデジタルスキルを有する人材ですが、官民問わずデジタル人材は不足しています。優秀な人材は引く手あまたの状況です。すでに自治体側が人材を選ぶのではなく、優秀な人材が自治体を選ぶ時代に変わってきています。選ばれない自治体が優秀な人材を獲得するのは今後一層難しくなるでしょう。

選ばれない自治体に共通する傾向は以下の通りです。

「自分本位(相手の都合に合わせない)」
「思いや熱意がない(丸投げ)」
「専門性を評価ができない(従来の評価軸に当てはめる)」
「風通しが悪い(組織の雰囲気が悪い)」。

つまり、働きたいと思える組織かどうかが重要になります。

そのうえで「なんのために外部人材を活用するのか」を内部で徹底的に議論することが最も重要であると説明しました。
この点が不明瞭なまま進めると、「どのような人材が必要なのか」つまりは「人材の要求要件定義」が明確化されず、せっかく任用した人材のミスマッチが発生します。

ここで問題となるのは「人材の要求要件定義」をすること自体が高度であるという点です。
内部人材で「人材の要求要件定義」できないという場合は、まずそこから一緒に考えてくれる外部人材を任用し、時系列に応じて新たな外部人材を増やしていくことも有効です。

優秀な人材が働きたいと思える「報酬」「業務環境」「組織文化」の変革を行うことが自治体DXの第一歩につながります。 外部人材の活用は今後一層進むことが考えられます。新しい行政経営の手法として、「外部」「内部」の境界がなくなっていくことがひとつの潮流になるとまとめました。


磐梯町のデザインの取組み

後半は、ゲストとして前田 聰一郎氏(磐梯町デジタル変革戦略室CDO補佐官(デザイン担当))にご登壇いただきました。

「磐梯町のデザインの取組み」として自治体DXにおける「デザイン」の重要性を解説。ユーザー本位でデザイン(設計)を考える「サービスデザイン思考」は、同じくユーザー本位で考えなければならない自治体DXには不可欠なものとお話しいただきました。このユーザーには「住民」だけでなく「庁内の職員」も含まれています。変革を進めるためには「人間本位」であることが求められます。

サービスを供給するのも受給するのも人間、変革された制度を運用するのも人間です。
使いにくい、見づらいものはすぐに形骸化してしまいます。サービスデザインの視点が不在の自治体DXは、システム開発そのものが無駄になり、担当者はストレスにしかならず、サービス受給者の幸福にもならないとして総括されています。

 本研究会は2023年度についても引き続き開催を予定しております。
開催予定、詳細につきましてホームページなどでお知らせいたします。


文:自治体dX研究会事務局(日本経営協会)中村隆彦

※参加者メンバーに限り、過去例会のディスカッションパートを含めたノーカット版アーカイブを公開中です。
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