2022年12月号 飛躍するドローンの時代
2022年12月、住宅地などの上空でドローンの自動飛行を解禁する航空法改正が施行される。これにより、日本のドローンビジネスが新たな飛躍期を迎えるだろう。軍事使用目的からスタートしたこの技術は、現在の日本では「災害時対応」と「物流」をはじめとした社会課題の解決手段として期待されている。既に自治体と企業が手を組んで「ドローン物流」の実証実験が数多く行われている。現状では中国製と比較して価格帯で遅れをとっている「国産ドローン」も、今回の法改正を機に各メーカーが製造に意欲を見せていくことであろう。これまではあくまで「おもちゃ」の域を出なかったドローンが、今後役割が大きく変わってくる。今号ではドローンについて今一度情報を整理すると共に、専門家、実務家の両面から、日本は「ドローン」でどう変化していくのか、解説と考察を行う。
2022年11月号 すすむ?男性育休~育児・介護休業法改正をどう乗り切るか~
2022 年4月から施行された改正育児介護休業法。特に注目を浴びているのが、いわゆる「男性育休」に関する制度だ。出生時育児休業制度や育児休業の分割取得制度創設の法改正後は、男性の育児休業取得が進むと期待される一方で、男女間の賃金格差や雇用体制による阻害要因がいまだ解決できていない現状も指摘されている。今回は「男性育休」に焦点を置き、そもそもの育児休業の必要性や各国の男性の育休取得の動向、日本特有の課題や解決の糸口はどこかを探りながら、今後の男性の育休率向上について考察する。
2022年10月号 企業価値を高める人的資本経営
人材を “ 資源” ではなく “ 資本” として捉え、人材の価値を最大限に引き出すことで、中長期的な企業価値向上につなげる人的資本経営に注目が集まっている。近年、非財務情報や無形資産の重要性が高まり、米国ではすでに無形資産への投資額が有形資産を上回っている。日本においても骨太方針2022 のなかで「人への投資」が掲げられ、「人材に投じる資金=費用(コスト)」の価値観を「価値創造へ向けた投資」へと転換させたい考えだ。今後、人的資本を重要視する企業と、そうでない企業との間に大きな差が生まれることは容易に想像できる。今号では人的資本経営の潮流や主要国の開示状況などから企業価値を高める人的資本経営について考察する。
2022年9月号 リモート時代の社会人教育
あらゆる教育が、コロナ禍による大きな変革を迎えている。社会人教育ではセミナーのオンライン化が着々と進み、場所(ときには時間)に縛られずにいつでもどこでも参加できるようになった。加えてリモートワークの増加で、通勤時間が減り、その時間を自己啓発に充てるビジネスパーソンも増加傾向にある。また、学校教育においても、かつての教室一辺倒の授業から、オンライン学習を組み合わせてインプットとアウトプットを効果的に行う形式が実践されてきている。教育のオンライン化は今後も増加の一途をたどるであろう。このような状況の中で企業教育、自己啓発等社会人教育はどのような変化が起きているのだろうか。また、めまぐるしい社会環境の変化は、人材に求められる能力やスキルにも大きく影響している。今後の「リモート時代」における社会人教育のあり方を、現時点の課題を踏まえ、最新の大学教育の実例も参照しながら考察を行う。
2022年8月号 DX 時代の社会人教育
将来の予測が困難で不確実な時代の中、多くの企業でDX(デジタルトランスフォーメーション)化やAI・IT 分野への人材シフトがはじまっている。そこで注目されているのが、デジタルを活用した仕事の進め方やビジネスをアップデートさせる取り組みである「リスキリング」だ。経済産業省は、「新しい職業に就くために、あるいは、今の職業で必要とされるスキルの大幅な変化に適応するために、必要なスキルを獲得する/させること」と定義している。 また、世界経済フォーラム年次総会(ダボス会議)ではリスキリング革命というコンセプトを掲げ、2030 年までに世界10 億人に新たなスキルを提供するためのプラットフォーム提供を宣言している。この「リスキリング」によって、人生100 年時代におけるスキル獲得やキャリア形成のあり方が大きく変わっていくことは間違いない。 今号では、AI /データ活用のための「リスキリング」について、必要とされる背景をふまえながら、組織に合わせた導入ステップやポイントを詳しく解説し、変化の激しい時代における学び続けることの重要性について考察する。
2022年7月号 明暗を分ける?中小企業のDX
デジタルトランスフォーメーション(Digital transformation;DX)とは、「ICT の浸透が人々の生活をあらゆる面でより良い方向に変化させること」である。(「平成30 年版情報通信白書」総務省」)経済産業省は、「DX レポート~ IT システム『2025 年の崖』の克服とDX の本格的な展開~」(2018 年)において、2025 年以降日本企業がDX 化を実現できない場合、年間最大12 兆円の経済損失が生じる可能性があると述べている。また、新コロナウイルス感染症の流行により、事業継続の観点からもデジタル活用やDX 化は必要不可欠であるという認識も高まった。一方取組状況としては、DX 化を既に実施している/今後実施を検討している大企業が6割程度ある一方、中小企業では3 割程度と、中小企業のDX 推進は遅れている。(「令和3 年版情報通信白書」総務省) 今回は、中小企業のDX 化を特集テーマとし、DX の定義を再確認するとともに、中小企業がDX 推進を始めるべき理由・メリットについて、実際の事例等を紹介しながら考察する。
2022年6月号 オープンイノベーションで新たな活路を切り開く
1980 年代には一般的だった自前主義でのイノベーション(クローズドイノベーション)がIT 技術の急速な発達・普及、グローバル化によって限界を迎える中、新たな戦略手段として注目されるようになったのが「オープンイノベーション」です。 オープンイノベーションは、イノベーションを効率的に進めるためのアプローチの一つで、「組織内部のイノベーションを促進するために、 意図的かつ積極的に内部と外部の技術やアイデアなどの資源の流出入を活用し、 その結果組織内で創出したイノベーションを組織外に展開する市場機会を増やすこと」と定義されています。 今号では、オープンイノベーションの変遷をたどるとともに、日本が抱えるオープンイノベーションの課題について取りまとめ、今後自社で活用するメリットや注意点、円滑に進めるコツ等について解説いたします。
2022年5月号 スマートシティ構想と最新状況
我が国における「スマートシティ」とは、2016年に提唱された「第5期化学技術基本計画」において、「情報社会(Society 4.0)」に続く新たな社会「サイバー空間(仮想空間)とフィジカル空間(現実空間)を高度に融合させたシステムにより、経済発展と社会的課題の解決を両立する、人間中心の社会(Society 5.0)」の先行的な実現の場として政府をあげて推進している取り組みです。2020年5月にスーパーシティ法案が成立し、2021年11月にはデジタル田園都市国家構想も掲げられ、現在全国各地でその実現に向けた計画が進行しています。行政主導、民間主導、官民連携等、進め方・進捗は様々ですが、既に安定的に運営が行われている都市もあります。今号では「スマートシティ構想と最新状況」を特集テーマとし、スマートシティの定義を改めて考察すると共に、課題とその対応策、今後の可能性について詳しく解説します。
2022年4月号 リモート時代のリーダーシップ(2)
「リーダーシップ」について、遡れば古代ギリシャ時代から常々議論され続けてきました。特に時代の潮目が変わる際には、その時代を反映した様々な「リーダーシップ」理論が生まれています。 今号は前回に続き「リモート時代のリーダーシップ」を特集テーマとして取り上げます。今号では、時代の潮流の中で生まれた数々のリーダーシップにおけるパラダイムの変遷を振り返ると共に、コロナ禍によって大転換期を迎えた日本におけるこれからのリーダーシップについて「トップマネジャー」と「ミドルマネジャー」に分けて考察いたします。
2022年3月号 リモート時代のリーダーシップ(1)
新型コロナウイルス感染症拡大の影響で、リモートワークが急速に広まりました。リモートワークは、ウィズコロナ・ポストコロナの「新たな日常」「新しい生活様式」に対応した働き方であると同時に、時間や場所を有効に活用できることから、育児や介護等を行いながら働く方の離職防止や、生産性の向上につながる働き方として、今後も継続されていくことが予想されます。本誌では、今号から2回にわたり「リモート時代のリーダーシップ」を特集テーマとして取り上げます。今号では、これからのリモートワーク時代(オフィスなき時代)のマネジメントの在り方について考察いたします。
2022年2月号 2022年注目のテクノロジー(2)
現在、世界的に第4 次産業革命(AI・ロボットなどの新技術による社会と産業の変革)が進行しています。 これにより、生産や消費といった経済活動だけでなく、働き方などライフスタイルも含めて経済社会の在り方が大きく変化しつつあります。なかには過去にはSF と称されていた技術が現実のものになるなど、人類社会は新たなステージへ踏み出そうとしています。 今号では、先月に引き続き「2022 年注目のテクノロジー」を特集テーマに、今後到来するであろう「未来社会」を形成する様々なテクノロジーについて解説いたします。
2022年1月号 2022年注目のテクノロジー(1)
2022 年の干支である「壬寅(みずのえとら)」は、厳しい冬を越えて、新しい生命が芽吹き始めると言われています。2021 年は、5G 商用の本格化や、企業・行政のDX が急速に進み、世界はテクノロジーで大きく変わろうとしています。本誌では今号から2 回に渡り、今年更なる進化を遂げるであろう2022 年注目のテクノロジーを特集テーマとして取り上げます。今号では、医療業界等でも既に活用されている『複合現実感(MR:Mixed Reality)』について基本的な考え方から今後の展望まで解説いたします。