2024年10月号 新時代の「スマート農業」-持続可能な農業の実現-
2024年夏は「令和の米騒動」が叫ばれ、一部地域で混乱が起こりました。その原因を分析・検証するなかで、 改めて日本の農業の抱える問題が浮き彫りとなりました。高齢化、人手不足は深刻です。農林水産省は 問題解決に向けてロボット、AI、IoT など先端技術を活用した「スマート農業」の普及を目指しています。 今号では、スマート農業の最新動向を考察すると共に、これからの日本の農業を支える人材育成につい ても詳述いたします。
2024年9月号 これからの社会インフラ老朽化への対応
インフラの老朽化が全国で課題になっています。道路、橋、水道など多くの国内インフラは高度経済成長期に作られ、すでに50 年を超えています。わが国は現存するインフラを長く利用しようという方針です。2013 年に策定された「国土交通省インフラ長寿命化計画」は2021 年に第2次計画となり、「持続可能なインフラメンテナンス」の実現が掲げられました。今号ではこれからのインフラ老朽化対策と推進手法について考察いたします。
2024年8月号 「パーソナル・ヘルス・レコード(PHR)」は 健康都市をつくれるか
健康都市の取組は1986 年世界保健機関(WHO)により提唱されました。この活動を推進する健康都市連合日本支部には、39 都市3 団体(2024 年4 月現在)が加盟し、年々増加しています。健康都市実現にむけてのPHR が今注目されています。PHR とは、Personal Health Record の頭文字をとった略語で、「生涯にわたる個人の健康等情報を電子記録として本人や家族が正確に把握する仕組み」を指します。PHRの活用によって、「個人の健康意識が向上」、「適切な医療・介護サービスの選択」が可能になるほか、将来的には蓄積されたPHR データを活用することで社会全体の健康増進実現につながると考えられています。今号では、PHR の現状、今後の展望や課題について考察します。
2024年7月号 オープンイノベーションにおけるパートナーシップ戦略~大学発ベンチャーの展望とイノベーション・エコシステム強化の重要性~
大学発ベンチャーは、大学等における革新的な研究成果をもとに、経済社会にイノベーションをもたらす担い手として期待されています。その数は、前年から506 社増加し2023 年10 月時点で4,288 社と、企業数及び増加数ともに過去最高を記録しました。米国では80 年代以降、大学発ベンチャーが大企業とパートナーシップ連携をすることで多くのイノベーションを生み出してきており、日本はそれを追随するかたちです。オープンイノベーションが進展するなか、大学発ベンチャーはイノベーションの牽引役として期待が高まります。今号では、オープンイノベーションにおける戦略的パートナーとしての大学発ベンチャーの役割とイノベーション・エコシステムの強化の重要性について考察いたします。
2024年6月号 避けられないIT・DXスキル育成
本誌では2号に渡り、わが国の大きな課題となっている「デジタル人材」の「確保」「育成」について特集しております。前号では「確保」について取り上げ、採用方法、雇用形態など新しい考え方が求められているというご紹介をいたしました。今号では「育成」をテーマに取り上げます。国際経営開発研究所(IMD)が発表した「世界デジタル競争力ランキング2023」で日本は32位と、過去最低の結果になりました。遅れを取り戻すためには、IT技術者拡充が喫緊の課題ですが、日本企業では「社内人材の育成」「既存人材の活用」が主流である反面、育成に関する取組は手薄です。デジタル人材の「育成」について、現状や課題、事例も交えながら考察いたします。
2024年5月号 激化する IT・DX人材獲得競争と戦略
わが国が「e-Japan戦略」を策定し「世界最先端のIT国家」を目指して20年。残念ながら日本は「デジタル敗戦国」と揶揄されています。コロナ禍では様々な場面でデジタル化の遅れが露呈しました。巻き返しを図るべく、官民問わず「DX(デジタルトランスフォーメーション)」の取り組みが始まり、「デジタル人材」というキーワードが注目されるようになりました。急速に需要が高まった「デジタル人材」ですが、全国的に不足しているというのが実情です。これを大きな課題と捉え、デジタル人材の「確保」と「育成」を2号連続で特集します。今号では、デジタル人材の本質を捉え、新時代のIT・DX人材の「確保」における戦略を考察します。
2024年4月号 金融リテラシーを備えた新社会人を迎え入れる未来
「貯蓄から投資へ」。国の政策により2020年から順次、小中高の学校教育で「金融教育」が必修化されました。大学においても教養科目として設定され、若い世代を中心に「金融リテラシー」の理解が始まっています。「金融リテラシー」の問題は、若い世代だけのものではありません。昨今の物価高騰や晩婚化、高齢化など「後ろ倒しのライフプラン」は身近なお金の問題です。今号では、「金融リテラシー」をテーマに、必要とされる背景やこれからの経済のあり方における意識変化などをウェルビーイングの視点も踏まえ考察します。
2024年3月号 新規事業開発におけるクラウドファンディング活用
わが国のクラウドファンディング市場は右肩上がりで拡大しています。昨年の国立科学博物館の事例では、国内史上最高額の資金と史上最多の支援者を集め、大きく話題となりました。クラウドファンディングは「手軽さ」や「拡散性の高さ」などから、起業家や社会貢献活動だけでなく、近年では中小企業の新しい資金調達の手段のひとつとしても活用されています。今号ではクラウドファンディングの仕組みや類型といった特徴を紹介し、その活用事例やリスクなどのポイントを取りまとめます。
2024年2月号 テクノロジーが小売業に与えるインパクト
小売業におけるテクノロジーは日々進歩しており、私たちの生活にも様々な変化をもたらしています。オンラインショッピングの普及や、セルフレジ、キャッシュレス決済など支払手段の多様化はその代表例です。流通、在庫管理の分野では、AIやIoTの活用によって人手不足への対応や労働環境の整備がなされることで、従業員の満足度向上につながっています。今後はAIの導入による自分だけのアシスタントや、ARによる店内体験など新たな顧客体験の登場も期待されています。今号では日本の小売業の現状を整理し、DX活用について考察します。
2024年1月号 新たなステージを迎えるインバウンド戦略
訪日旅行市場が急速に回復しています。入国者数制限の撤廃や円安の追い風もあり、全国各地の観光地が賑わいを取り戻しつつあります。2023 年10 月の訪日旅行者数はコロナ後はじめて2019 年の実数を上回りました。また、旅行者の行動もコロナ禍を経て変化をしています。世界35 か国において実施したサステナブルツーリズム(持続可能な観光)に関する調査の結果では、74%の人がサステナブルな観光に関心があると答えています。今号では「持続可能な観光」をテーマに、サステナブル・トラベルやローカルな体験を求める旅などの多様化する観光のあり方を紹介するとともに、アフターコロナの新たなインバウンド戦略について考察します。