A 定量調査の結果 |
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事前スクリーニングにより、調査回答者を次の職種に限定して実施した。(「日本標準産業分類」業種大区分による。)
*卸売業・小売業、*金融業・保険業、*不動産業・物品賃貸業、*学術研究、*専門・技術サービス業、*宿泊業・飲食サービス業、*生活関連サービス業・娯楽業、*教育・学習支援業、*医療・福祉、*複合サービス事業、*サービス業(他に分類されないもの) |
1 |
現在の仕事(職種)<問1> |
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現在の仕事(職種)をたずねるにあたって、回答選択肢とした項目は次のとおり。
(1)物品販売サービス、(2)飲食サービス、(3)営業・セールス、(4)医療サービス、(5)福祉・介護サービス、(6)教育・教育支援・塾・家庭教師、(7)防犯・セキュリティ、(8)求職支援サービス、(9)まちづくり・景観コンセプトづくり、(10)建築・デザイン、(11)リフォーム・リノベーション・住宅関連サービス、(12)宅配・共同購入、(13)清掃代行・購入代行、(14)冠婚葬祭サービス、(15)その他 |
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これらの業種に属する回答者(n=300)の、現在の仕事(職種)は、「3 営業・セールス」(20.3%)、「4 医療サービス」(17.3%)、「6
教育・教育支援・塾・家庭教師」(13.0%)、「1 物品販売サービス」(10.3%)が10~20%強と比較的高く、「5 福祉・介護サービス」(6.7%)、「2
飲食サービス」(3.0%)がそれらに続いている。 |
2 |
仕事をはじめた(就職した)時期<問2> |
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□ |
学校を卒業して仕事をはじめた(就職した)時期(年代)は、「2000年代」(36.3%)が最も高く、「1990年代」(29.0%)、「2010年以降」(28.0%)、「1989年以前」(6.7%)と続いている。 |
3 |
転職の有無<問3> |
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□ |
転職の有無は、「転職をした(他の会社に変わった)ことがある」(57.0%)が「転職をした(他の会社に変わった)ことはない」(43.0%)を上回っている。 |
4 |
現在の仕事と対人社会サービス適合度<問4> |
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回答者の現在の仕事内容に関する、本調査研究のテーマである“対人社会的なサービス”への適合度について、11項目にわたって5段階尺度でたずねたところ、「あてはまる」「どちらかといえばあてはまる」と回答した、いわゆる肯定回答率は“d 相手の要請(事情)に応じて柔軟に対応するサービス(事業)である”(「あてはまる」29.3%、「どちらかといえばあてはまる」40.3%)と“「k コミュニケーション力」や「気遣い・心遣い」などきめ細やかな配慮がものをいうサービス(事業)である”(同34.0%、34.7%)がとくに高くなっている。 |
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□ |
サービスの受け手としては、頼む相手の「専門性」に信頼を見い出す傾向や、単なる外注ではなく、自力では達成できない(達成しにくい)サービスの提供を望む傾向が顕著となっている。 |
4 『対人社会サービス』の認知事例(問4) |
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認知事例としては、「福祉」関連の回答(介護サービス、高齢者支援、デイケアサービス等々)が22件と最も多く、以下「家事」関連(掃除、買物等代行、子育て支援等々)が10件、「教育」関連(外国人へのサービス等)と「資産」関連(年金プランナー等)が各7件などとなっているが、個別のニーズを表明するケースが33件と最も目立つ。 |
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□ |
一方、“e 社会的なネットワークや交流を通して、社会参加・社会貢献できるサービス(事業)である”への肯定回答率(「あてはまる」15.7%、「どちらかといえばあてはまる」32.7%)は比較的低く、“c 事業提供者がある程度の専門性(国家資格、認証・認定資格、免許等)を発揮して提供するサービス(事業)である”は、「あてはまらない」(20.7%)が唯一2割を超える。 |
5 |
現在の仕事と回答者自身の適合度<問5> |
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□ |
現在の仕事が回答者自身にどの程度合っていると思うかについては、「合っていると思う」が18.3%、「どちらかといえば合っていると思う」が41.3%、「どちらともいえない」が28.7%、「どちらかといえば合っていないと思う」が7.0%、「合っていないと思う」が4.7%であった。 |
6 |
対人社会サービス能力の重要度<問6> |
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現在の仕事を行ううえで、本調査研究のテーマである“対人社会的なサービス”に関連する能力(考え方や態度などの心のあり方)をどの程度重要と考えるかについて、6項目にわたってたずねた。
「重要である」は“b 相手への共感の思いや相手の考えを想像する能力”(37.7%)と“d 仕事につきもののストレスとうまく向き合う能力”(37.3%)で多く、「どちらかといえば重要である」は“c むずかしいと思える要望や期待・注文にも、できるだけ応える能力”(44.0%)と“a 初対面の人とでもすぐに打ち解ける能力”(41.3%)で多くなっている。 |
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□ |
質問項目として掲げた能力ごとにそのような差はみられたが、概して6項目ともに全体の3分の2前後の肯定回答(「重要である」「どちらかといえば重要である」)となっており、否定回答(「重要でない」「どちらかといえば重要でない」)はいずれもわずかに留まった。 |
7 |
対人社会サービス能力と性別適性観<問7> |
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□ |
“対人社会的なサービス”に関連する能力と男性、女性への適性関係は、「男性よりも女性のほうが適していると思う」が27.0%、「女性よりも男性のほうが適していると思う」が17.0%、「男女間に適性の違いはないと思う」が55.7%、「その他」が0.3%であった。 |
8 |
新しいサービス職業のイメージ<問8> |
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□ |
調査票の冒頭で示した“新しいサービス(役務)職業”にあてはまること・ものは、「5 民泊」(27.7%)、「4 買物代行サービス」(24.7%)、「2 カーシェアリング」(22.7%)であり、それぞれ2割以上の回答が寄せられた。一方、「13 すまう場所の快適性等を高めるための定住支援サービス」(6.7%)、「7 保護者が子どもとくつろぐためのサービス・空間の提供」(8.7%)、「12 ペットとくつろぐためのサービス・空間の提供」(9.0%)への回答は1割に満たなかった。 |
9 |
対人社会サービスのジャンル別人気・不人気予測<問9> |
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問1で取り上げた仕事が、数年後にどのようなポジションに変化していると思うかについて、「1)利用が増えて、人気の事業となっていると思われるもの」と「2)利用が増えず、不人気または現状維持の事業となっていると思われるもの」に分けて、それぞれ複数回答(3つずつ)でたずねたところ、「1)利用が増えて、人気の事業となっていると思われるもの」の上位には“e福祉・介護サービス”(61.0%)、“d医療サービス”(48.3%)、“g防犯・セキュリティ”(25.0%)、“m清掃代行・購入代行”、“o冠婚葬祭サービス”(ともに21.0%)、“l宅配・共同購入”(20.3%)があげられた。 |
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「2)利用が増えず、不人気または現状維持の事業となっていると思われるもの」の上位には“c営業・セールス”(45.7%)、“a物品販売サービス”(32.0%)、“b飲食サービス”(30.7%)、“f教育・教育支援・塾・家庭教師”(29.0%)があげられた。 |
10 |
能力開発・人材育成のための教育・研修受講程度<問10> |
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□ |
従業員の能力開発・人材育成のための教育や研修受講についてたずねたところ、「熱心に受けている」が6.7%、「どちらかといえば熱心に受けている」が25.3%、「どちらともいえない」が37.3%、「どちらかといえば熱心に受けていない」が15.7%、「熱心に受けていない」が15.0%であった。 |